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Primary field note / M-013
彼はただ、自分を見ていた。
自分だとは知らずに。
「耳は後方へ、前肢は胸の高さへ。視線は鏡面中央に固定。13秒後、わずかに鼻を動かし、対峙は終わった。」
Observer: mm field unitConfidence: 87%
鏡は、そこにいない相手をつくる。マーモットは姿勢を固め、視線を外さず、しかし一歩も踏み込まなかった。ここにあるのは攻撃ではなく、理解できないものとの距離の取り方である。
「耳は後方へ、前肢は胸の高さへ。視線は鏡面中央に固定。13秒後、わずかに鼻を動かし、対峙は終わった。」
観察は、面白がることと、
傷つけないことの
あいだにある。
この観察局は、動物の奇妙な一瞬を笑いながらも、その瞬間をつくるために動物を追い込まない。偶然に出会い、距離を守り、記録だけを持ち帰る。

自分によく似た相手に出会ったとき、警戒はどのような形を取るのか。
耳、肩、前肢、視線。四つの変化から読む、近づかないためのサイン。
眠りに入る前の時間は、動物にも風景にも、少しだけ輪郭が少ない。
短い観察記録、図解、まだ名前のない仕草。通知は少なく、余白は多めです。